少し前に書店で気になっていた本を買い、読み終わったところでいてもたってもいられず、とりあえずここに。

- 作者: 堀本裕樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2017/04/25
- メディア: Kindle版
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『俳句の図書館』
本のタイトルにもあるように、図書館になぞらえて
- 書庫…学校の授業に出てくるような名句の紹介
- 第一閲覧室 季語…季語に注目した句
- 第二閲覧室 技法…表現技法と使われている句の紹介
- 第三閲覧室 暗唱…著者が「覚えておいて欲しい」という句の紹介
の構成で、俳句と解説が掲載されています。
元々俳句に造詣が深く…なんて事はない、全くのド素人なわけですが、解説が丁寧なので「ははー、なるほどなるほど?」というようにふわっと入ってきます。
掲載されている句の8-9割ほどは初めて見る句でしたが、学校で習うような種田山頭火の句や、有名な正岡子規の句も掲載されています。
見知った句でも、解説を読んだ後では「こんな句だったか…」と違う印象を受けるものも。
全て平仮名で句が構成されているだけで感じ取れる柔らかさ。
作者の境遇や背景を見た後に、もう一度句を見たときの「うわまじかよ切なすぎる」という衝撃。
そして、それらがたった17音に込められていると思うと、17音が持つ意味の深さに「表現とは恐ろしいものだな」と思ってしまう。
句を見て、解説を読んで、再度句を見て。
意味がガチっと噛み合った時になんとも言えない感動を覚えます。
人の表現は、仕方も、その受け取り方も各個人に自由に任せられるので、自由故の伝わりにくさも存在するはずです。
ましてや、自分なんかは受け取るのがとんでもなく下手なので、解説なしで句を見たとしても「ほーん?」で終わってしまうのです。
それが、解説があることで「こう表現しているのは、こういう意図があったのか!」という驚きに変化します。単純設計です。
載っている解説も数ある解説の一つと思うので、また違った視点での解説も見てみたくなりました。
自分の中で勝手に崇高なものと位置付けてしまってほとんど触れてこなかったところですが、眺めていると一行日記のようにも見えて、ちょっとした親しみも。
読み進めるに連れて、季語を探す楽しさ、背景を探る冒険心が湧き上がってくる、そんな本でした。

- 作者: 堀本裕樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2017/04/25
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書いているうちに"いてもたってもいられない"衝動が落ち着いてしまった。